自著のご紹介



子ども体験
大和書房 
1984年10月30日
 「子ども」というあり方にはいくつものレベルがある。目の前にいて成長する「他者として子ども」、自分がかつてそうであった「過去としての子ども」、昔話、童話、児童文学などにでてくる「物語としての子ども」などなど。それらの「子ども像」はそれぞれに成立基盤の違うところで形成される。私たちが何気なく「子ども」と言う場合の「子ども」とは、その成立基盤の違う子ども像を体験するということなのではないか。それを「子ども体験」と呼んで考察の対象にした。
―目次―
序章 世界を体験すること

第一部 幼年論
 はじめに
 家族への道
 口唇の世界
 人見知り
 遊びの世界
 「認識」としての遊び
 迷宮・考

第二部 少年論
 はじめに
 「泥棒」と呼ばれた少年
 ウォルト・ディズニーの映画をみた
 『風の又三郎』について
 いじめ
 三界論
 少女的なもの
 自殺について
 二つの母なるもの
 学校

第三部 青年論
 「わからないもの」としての青年
 第三の心的類型
 誘惑の構造
 自己史をたどれば
 殺人・考
 学校なるものから
 戸塚ヨットスクール
 旅の思考へ

あとがき